二尊院 (京都市右京区嵯峨二尊院門前長神町)


百人一首にも詠われた小倉山のふもとに広がる。紅葉の名所と名高く、千二百年の時を超えて美しい景観に包まれてきた。二尊院はその名の通り、「釈迦如来」と「阿弥陀如来」の二尊を祀る寺院であり、正式には「小倉山二尊教院華臺寺」という。開創したのは承和年間(834〜847)のこと。嵯峨天皇の勅願により慈覚大師が建立。約五万坪の境内には、「本堂」、「勅使門(唐門)」、「総門」、「八社宮」、「湛空廟」、「鐘楼」が配されており、重要文化財の本尊二尊をはじめ、多くの寺宝が京都市指定文化財として残されている。~二尊院HPより転載~ -2016.11.06-

「総門」

華やかな文様が迎える正門

二尊院を訪れた際に、最初に出会うのが「総門」。慶長十八年(1613)に伏見城にあった薬医門を角倉了以によって移築・寄進された。室町時代の建築として京都市指定文化財となっている。総門には文様(装飾のための図柄)があり、唐草模様、数珠入り三つ巴紋、桃の巴蓋瓦など多彩。平成二十六年(2014)には瓦葺き工事により江戸時代の柄のまま復元されている。~二尊院HPより抜粋転載~

上記写真:二尊院HPより転載

「紅葉の馬場」

春夏秋冬の彩りが広がる参道
総門を抜けた先に広がる、真っすぐに伸びた参道は「紅葉の名所」として親しまれている。約百メートルの間にモミジとサクラの木が交互に植えられており、秋は赤や黄の色鮮やかな紅葉のトンネルを魅せてくれる。小倉山を背景に、春は華やかな桜色に染まり、夏は色濃く重なる緑に覆われ、冬は霜に輝く木々が連なり、四季それぞれの風景を楽しめる。帰り道、石段の上から眺める参道も見物です。~二尊院HPより抜粋転載~

「勅使門」

天皇の使いだけが通れた門
本堂へと続く門は、天皇の意志を伝えるために派遣される使いの「勅使」が出入りする際に使われていた「勅使門」。弓を横にしたような形で中央が高い「唐破風形」の屋根をしている。かつては、勅使が訪れた時のみ開門していたため、格式高い特別な門。今日では参拝した誰もが通ることができますが、歴史的背景を知ると通るたびに厳かな気持ちにさせられる。~二尊院HPより抜粋転載~

「本堂」

<京都市指定文化財>

二尊を安置してある「本堂」。六間取り方丈形式の間口の広い建物は京都市指定文化財。室町時代の応仁の乱(1467〜77)の兵火で諸堂が全焼するが、永正十八年(1521)に三条西実隆が諸国に寄付を求めて再建。本堂に掲げられている後奈良天皇の自筆による「二尊院」は、この再建時に与えられたもの。平成二十八年(2016)には、約350年振りとなる平成の大改修が完了。由緒ある寺院にふさわしい壮麗さを取り戻している。~二尊院HPより抜粋転載~

上記写真:二尊院HPより転載

「遺迎二尊像」

<重要文化財>

寺名のもととなっている二尊は、極楽往生を目指す人を此岸から送る「発遺の釈迦」と、彼岸へと迎える「来迎の弥陀」の遺迎二尊。この思想は、中国の唐の時代に善導大師が広めた「二河白道喩」というたとえによるもので、やがて日本に伝わり法然上人に受け継がれた。当院の「遺迎二尊像」は鎌倉時代中頃に、春日仏師によって作られたと言われている。本堂の中央に安置されており、右に「釈迦如来像」、左に「阿弥陀如来像」が立つ。左右相称で金泥塗り、玉眼入りの像が境内を見守るように並んでいる。~二尊院HPより抜粋転載~

上記写真:二尊院HPより転載

しあわせの鐘「鐘楼」

三回ついて、しあわせを願って
梵鐘(釣り鐘)をつるす堂「鐘楼」は、慶長年間(1596〜1615)に建立。梵鐘は慶長九年(1604)に鋳造し、平成四年(1992)に、開基嵯峨天皇千二百年御遠忌法要記念として再鋳。「しあわせの鐘」と名付け、「自分が生かされているしあわせを祈願」「自分のまわりの生きとし生けるものに感謝」「世界人類のしあわせのために」と、鐘を三つ撞いてそれぞれに祈願していただいている。~二尊院HPより抜粋転載~

「八社宮」

<京都市指定文化財>

八社を祀る、表鬼門の社
紅葉の馬場を抜け、西へ行くと本堂ですが、東へ進むと「八社宮」がある。境内の東北に位置し、表鬼門としてつくられた社。その名の通り、伊勢神宮・松尾大社・愛宕神社・石清水八幡宮・熱田神宮・日吉神社・八坂神社・北野天満宮の八社を祀っている。室町時代末期の建築として京都市指定文化財に指定。~二尊院HPより抜粋転載~

「湛空廟」

<京都市指定文化財>

石段の先で出会う、石碑と風情
本堂としあわせの鐘の間に、木々に囲われた石段があり、真っすぐに上がった先に待ち受けるのが「湛空廟」。二尊院で教えを広めた僧、湛空上人の碑を収めている。建長五年(1253)に中国の石工によって彫られた碑と思われ、碑堂は室町時代末期の建築として京都市指定文化財。~二尊院HPより抜粋転載~