建長寺 (神奈川県鎌倉市山ノ内)


臨済宗建長寺派の大本山であり、鎌倉五山の第一位に位する。1253年(建長5年)後深草天皇の勅を奉じ、北条時頼(鎌倉幕府五代執権)が国の興隆と北条家の菩提の為に中国より名僧蘭渓道隆を招き建立した。創建当初は中国宋の時代の禅宗様式七堂伽藍に四十九院の塔頭を有し厳然たる天下の禅林であった。また、「建長寺」は、日本で初めて純粋禅の道場を開き、往時は千人を越す雲水が修行していたと伝えられるわが国最初の禅寺。「総門」・「三門」・「仏殿」・「法堂」などの主要な建物が中軸上に並ぶ大陸的な伽藍配置を残している。~建長寺HPより転載~ -2017.06.27-

建長寺HPより転載

「三門(さんもん)」

<国重要文化財>

この門をくぐることによってあらゆる執着心から解き放たれることを意味する。創建者である蘭溪道隆(らんけいどうりゅう)の言葉に、「建長寺は、禅をまなぶすべての人に開け放たれている。この境内には人を差別しない清風が、いつも吹いている」とあり、建長寺はあらゆる人々、修行者に門を開放している事を表している。楼上(門の上部)には、釈迦如来・十六羅漢・五百羅漢(=修行を完成された人)を安置している。また、この門は、安永4年(1775)に万拙硯誼(ばんせつせきぎ)和尚などの努力によって再建された。創建当初は、三門後方左右に大坐禅堂、大食堂(=話をしたり、音をたててはいけない食堂)があった。

「柏槇(びゃくしん)の庭」

「三門」と「仏殿」を結ぶ参道に8本のビャクシン(柏槇)がある。蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)が中国から持ってきた種子を「建長寺」創建の際にまいたと言われている。

「建長寺の柏槇」

<かながわの名木百選鎌倉市指定保存樹木>

県下の代表的な名木として知られている。樹高:13m、胸高周囲:6.5m、樹齢:約760年(推定)。神奈川県の「名木100選」にも選定。

「仏殿」

<国重要文化財>

建長寺の本尊・地蔵菩薩(天国から地獄に至るまで、すべての生物を救い、成仏させると誓う菩薩)を安置。北条時頼と蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)の、迷いの中から救い悟りを得るという願いが込められている。現在の建物は、創建当初より4代目のものといわれ、東京の芝の増上寺にあった徳川二代将軍秀忠公(ひでただこう)夫人(お江の方)の霊屋(おたまや=墓)を建長寺が譲り受けた。~建長寺HPより抜粋転載~

上記写真:建長寺HPより転載

「仏殿」内

建長寺本尊「地蔵菩薩坐像」

「法堂」(はっとう)

<国重要文化財>

昔は建長寺全体が修行道場であり、敷地にいる僧侶全員がこの法堂に集まって、住持(=住職)の説法を聞きました。388人の僧侶がいた記録がある。現在は法要・講演・展覧会などに使われており、修行僧は西来庵(せいらいあん)で修行している。

この建物は1814年に建長寺派の寺院により再建された。関東最大の法堂で、現在は千手観音(=迷いの中から救い悟りを得るために偉大な働きを持つ観音)を本尊としている。~建長寺HPより抜粋転載~

上記写真:建長寺HPより転載

天井画「雲龍図」

「建長寺」創建750年記念事業として、2002年(平成14年)、「法堂」天井に約80畳の小泉淳作筆の雲龍図が掲げられた。 

「法堂」内にある「釈迦苦行像」

「釈迦苦行像」は、お釈迦様が極限の苦行・禁欲(断食)を行っているお姿を現したもので、顔に髭を生やした姿はきわめて稀であるとともに、徹底的に肉体を痛めつけるような荒行をしていたことを表しています。
この釈迦苦行像は、パキスタンの北西部地方のガンダーラ文明の遺産でラホール中央博物館に安置されているお像をもとに製作され、2005年愛知万博に陳列されたのち、この度パキスタン国より「建長寺」に寄贈されました。(境内掲示より)

「唐門」

<国重要文化財>

桃山風(ももやまふう)向唐破風(むこうからはふ)という、16世紀後半の日本の屋根の建築様式で作られた、漆塗りの四脚門(よつあしもん=4つの脚がある門)。技巧を凝らした金具が各所に使用され、仏殿の装飾技法とよく似ている。1628年、東京・芝・増上寺で徳川二代将軍秀忠(ひでただ)夫人(お江の方(おごうのかた))の霊屋(おたまや=墓のお堂)の門として建てられた。その後、1647年、仏殿・西来門(せいらんもん)と共に建長寺に寄附され、方丈(龍王殿)の正門として使用。

2011年、解体修理がほどこされ、輝きをとりもどしました。~建長寺HPより抜粋転載~

「梵鐘(ぼんしょう)」

<国宝>

建長7年(1255年)に物部重光によって鋳造されたもので、創建当初から残る貴重な「梵鐘」。

御朱印

池泉庭園 <国指定名勝>


境内の得月楼横にある「池泉庭園」は、鎌倉時代の禅僧・夢窓疎石(円覚寺や浄妙寺の住持を歴任した名僧、瑞泉寺庭園など作庭家としても有名)作庭と伝わり、国指定名勝に選定。