野宮神社 (京都市右京区嵯峨野宮町)


野宮は、その昔天皇の代理伊勢神宮にお仕えする斎王(皇女、女王の中から選ばれる)が伊勢へ行かれる前に身を清められたところ。嵯峨野の清らかな場所を選んで建てられた野宮は、黒木鳥居と小柴垣に囲まれた聖地。その様子は源氏物語の「賢木(さかき)の巻」に美しく描写されている。野宮の場所は天皇の御即位毎に定められ、当社の場所が使用されたのは平安時代のはじめ嵯峨天皇皇女仁子内親王が最初とされている。斎王制度は後醍醐天皇の時に南北朝の戦乱で廃絶。その後は神社として存続し、勅祭が執行されていたが、時代の混乱の中で衰退していった。そのため後奈良天皇、中御門天皇などから大覚寺宮に綸旨が下され当社の保護に努められ、皇室からの御崇敬はまことに篤いものがありました。黒木鳥居と小柴垣は平安の風情を現在に伝え、源氏物語、謡曲野宮でも有名な当社は、嵯峨野巡りの起点として多くの方が訪れる。えんむすびの神様、子宝安産の神様として全国から崇敬を集めている。~野宮神社HPより抜粋転載~ -2016.11.06-

「黒木(くらき)の鳥居」

樹皮をはがす前の木材をそのまま使って建てた珍しいもので、日本最古の鳥居といわれている。この「黒木の鳥居」は、天照大神(あまてらすおおみかみ)に奉仕する斎王が、悪霊などにとりつかれないように建てられたもので、斎王を守ったと伝えられている。