猿島 (神奈川県横須賀市猿島)<国史跡>


三笠桟橋からの約10分、東京湾で自然林のある最大の無人島。歴史は古く、縄文・弥生時代の石器、土器も発見されているとのこと。幕末に江戸湾防備のため台場としての役割を担うこととなり、明治時代になると洋式砲台として整備され、東京湾の守りについた。島内には緑深い木々の中、レンガ積みのトンネルや砲台跡などの旧軍施設が残っている。貴重な自然や歴史遺産が残されたことにより、2015年に「国史跡」に指定された。 -2015.07.12-

「猿島桟橋」

出典:猿島パンフレット

切通し(要塞跡)


切通しは幅員4.5mほどで、両側は石積みされ高さは9.5mから4mほど。石材は、東壁と西壁とで大きさが違い、できた時期が異なっているとのこと。「兵舎」や「弾薬庫」など貴重なレンガ造りの旧要塞施設が並ぶ。

「兵舎」

切り通しの東壁にある兵舎。兵舎と弾薬庫が、壁に交互に並んでいる。明治に建てられた貴重なフランス積みレンガの兵舎で、富岡製糸場で使用されている工法と同じとのこと。兵舎は、幅5m×奥行14.5m×高さ4.2m。

兵舎の小窓

「弾薬庫」(明治時代)

煉瓦の積み方はフランス積み(フランドル積み)

切り通しの東側には兵舎と弾薬庫が交互に並び、小窓の無いこの部屋は弾薬庫として使われた。アーチ状の入口はこの先のトンネルと同じフランス積みのレンガ構造物。部屋の隅には井戸のようなたて穴があり、これを使って真上の第2砲台へと弾薬を運んでいたと思われる。また別の弾薬庫の地上には、地下の弾薬庫と連絡を取るための円形の土管を利用した伝声管も見つかっている。~下記案内板より抜粋転載~

「愛のトンネル」

猿島要塞の中心的施設が集中し、貴重な遺産かつ建築的にも貴重なフランス積みレンガのトンネル。レンガ造りのトンネルとして日本でもっとも古い建造物の一つ。中には旧軍の司令部跡や弾薬庫が設置されていた。現在では"愛のトンネル"と呼ばれている。

「展望台」からの眺め